気管支喘息について(専門科として)
[2023年12月18日]
気管支喘息について専門家として約20年たくさんのこども達の診療を行っております。
かぜなどで受診されたときに、他の医療機関で喘息管理されているお子さまを拝見する機会も多々ありますが、診療内容に疑問を持つことが頻繁にあります。他の医療機関を批判するのが目的ではなく、適切な医療を受けて頂くために要点を記載させて頂きます。
気管支喘息は慢性の病気になります。適切な管理を行う事で突然呼吸が苦しくなることがなくなり、安心した生活が送れるようになります。また、長引く咳を予防することにもなります。30年ほど前には気管支喘息のために普通に学校に通うことが出来ないお子さま達が沢山いましたが、今は適切な治療をすることでみんなと同じように運動や学校生活が送れるようになりました。トップアスリートの中にも喘息をもっている方は多くいらっしゃいます。
ただ、反対に喘息でないのに喘息の薬を飲んでおられる方も沢山お見かけします。喘息の薬(キプレス、シングレア、モンテルカスト、オノン、プランルカスト)は風邪薬ではありません。また、抗ヒスタミン薬は喘息の気道炎症には効果ありません。ホクナリンテープもただのかぜ症状には効きません。
正しい知識を付けて適切な医療を受けるだけでなく、理解を深めてよりよい生活を手に入れましょう。そのためにまずは当クリニックの喘息サイト(トップページのInformation下の専用サイトのバナーをクリック)をご一読ください。
喘息と診断されて治療していても、以下の内容に一つでも当てはまる方は治療の見直しが必要ですので受診をご検討ください
- 他の医療機関に受診していても症状が改善しない(診断が間違っている、重症度評価が正しくないなど)
- いつまで薬を飲んだらいいのか分からない(説明を受けていない)
- 血液検査の結果のみで薬を継続している(ハウスダスト、ダニなど)
- メプチンやホクナリンテープを2週間以上継続している
- ずっと症状が出ていないのに1年以上薬を飲み続けている
- 吸入補助具を使用せずにステロイドのエアー剤を使用している
- (喘息とは言われていないのに喘息の治療(キプレス、シングレア、モンテルカストなど)をしている)
当クリニックにかぜなどで受診された場合、患者様とかかりつけ医(他院の場合)との関係性を考慮して、ご家族から相談がなければ喘息治療についてあまり意見を言わないようにしています。喘息治療についてご心配ごとがあればその旨を事前に問診にご回答下さい。診察時にお答えさせて頂きます。